活動報告

3月公開例会 財務リテラシーと魅力的な環境の作り方 ~八天堂 森光孝雅先生 講演会~

2026年03月03日

倒産寸前から世界へ。魂の講演が、三木の経営者たちの心を揺さぶった夜。

2026年3月3日、三木青年会議所の3月公開例会を三木市立市民活動センター(旧福祉会館)にて開催いたしました。今回の講師は、あの「くりーむパン」で全国的に知られる株式会社八天堂 代表取締役社長・森光孝雅氏。テーマは『財務リテラシーと魅力的な環境の作り方』です。

今回はJCメンバーだけでなく、100名もの一般参加者の皆様にもご来場いただき、会場は満席となりました。「この学びをメンバーだけで止めるのはもったいない。三木のリーダーたちと一緒に成長したい」——そんな三木JCの想いが、この熱気あふれる空間をつくり出しました。

 

ひとづくり委員会が制作したチラシの完成度の高さからも、今回の例会にかける気合いが伝わってきます。会場に入る前から、委員会メンバーの本気度を感じることができました。

 

■理事長挨拶

 

五本上理事長の挨拶では、「経営者としてしっかりとキャッシュを残していきましょう。キャッシュを残す、強い会社をつくっていきましょう」という力強いメッセージがありました。本日の講演テーマである財務リテラシーに通じる、まさに今年度のスローガン「王道」にふさわしい言葉で例会の幕が上がりました。

■3分間スピーチ

 

 

恒例の3分間スピーチでは、第1スピーカーの丹山君が「後悔のない挑戦を。失敗で終わらせてしまうのは自分自身だ」と語り、第2スピーカーの米分君は「周りに支えられて自分は立っている」という感謝の想いを伝えてくれました。

■新入会員 山川昇君が入会!

 

今月は新たに山川昇君を仲間に迎えました。ネスタリゾートから三木JCに参加してくれた山川君からは、三木のまちを盛り上げていきたいという強い気持ちを感じることができました。共に「王道」を歩む心強い仲間の加入です。

■一般参加者の皆様をお迎え

 

一般参加者の皆様の来場が始まり、会場は熱気に包まれました。今回は定員100名を埋め尽くす盛況ぶりとなり、多くの方にお越しいただきましたことに心より感謝申し上げます。

 

 

八天堂様のご厚意により、ご来場者お一人につき1個ずつ、八天堂の看板商品「くりーむパン(カスタード)」をお配りさせていただきました。講演中に「皆さん一斉に開けてください」というタイミングがあるとのことで、皆さん楽しみに待っている様子が印象的でした。

 

■森光孝雅先生 講演「倒産リスクを減らす」

 

いよいよ、八天堂・森光孝雅先生の講演がスタート。冒頭では八天堂の会社紹介動画が上映されました。その動画に映る社員の皆さんからは「人のために何かしたい」「自分にできることはないか」という前向きな熱意がひしひしと伝わってきます。そしてこの動画は外注ではなく、社員の皆さんがAIを活用しながら社内で手作りしたものだというお話には驚かされました。「自分たちで何かやってみよう」という八天堂の企業文化を象徴するスタートでした。

 

動画の後、森光先生は「では皆さん、くりーむパンを食べてください」と会場全体に呼びかけました。全員が揃った場で「今、目の前で食べてください」と言い切るその姿には、自社商品への絶対的な自信と迫力がありました。実際に口にすると、上品なクリームが口の中に広がり、甘すぎずたっぷりのクリームなのに嫌な感じが一切ない、冷やしてもおいしいパン生地との絶妙なバランス。「冷やして食べるくりーむパン」という新ジャンルを確立した実力を、まさに体感した瞬間でした。

 

そしてなぜ森光社長の言葉がこれほど深く届くのか。それは、ご自身が倒産寸前まで追い詰められた壮絶な経験をお持ちだからです。神戸の名店「フロインドリーブ」でパン職人として修業した後、1991年に地元・広島県三原市で開業。当時はコンビニもほとんどない環境で焼きたてパンブームの追い風もあり、店は大繁盛しました。借金を2年で返済し、10年足らずで広島県内に13店舗まで拡大。しかし、順調に見えたその裏で、人に対して耳を貸さず、謙虚さを忘れ、「おかげさまで」という気持ちが薄れていたと森光先生は振り返ります。地元の大企業を上回る福利厚生を誇り、父親よりも大きな規模の事業を行っていることが誇らしかった——しかしそれは、どこまでいっても「自分のため」だったのだと。

 

店舗を拡大する中で経営は悪化の一途をたどり、ついにエース格の右腕に辞められたことで組織は連鎖的に崩壊。債務超過に陥り、銀行から民事再生の書類を突きつけられるまで追い詰められました。そんなどん底の中、弟が「自分の貯金2,000万円があるから、これで何とか立て直してくれ」と全財産を差し出してくれた。家族の温かさ、人の本当の優しさに触れたあの瞬間こそが、森光先生の経営者としての転換点でした。「大事なのはやっぱり人だ」——その気づきから、一人ひとりを大切にする経営を貫き、今日の八天堂を築き上げたのです。

 

特に心を打たれたのは、コロナ禍のエピソードです。国の補助金が出るかどうかも分からず誰もが不安だった時期に、森光先生は社員たちにこう言い切ったそうです。「大丈夫だ。俺が必ず守る」と。その言葉を堂々と言えたのは、派手な経費の使い方をせず、会社にしっかりとキャッシュを残してきたからこそ。経営して利益を出すだけでなく、しっかりと税金を払い、それでもなおキャッシュを残す。そこまでやり抜くことが経営者の責任である——森光先生の厳しくも温かい言葉は、会場の経営者一人ひとりの胸に深く刺さりました。

「世の中の3分の2の会社が赤字だが、それでいいのか。経営者として責任はないのか」。厳しい言葉でした。しかし、自らどん底を経験し、結果を出し続けている方からの言葉だからこそ、その重みは計り知れません。今回、ひとづくり委員会の中尾君が森光先生に「厳しい言葉を投げかけてほしい」と事前に依頼されていたとのことですが、この采配はさすがでした。

 

講演を終え、参加者の皆さんがそれぞれ自社の経営を見つめ直し、「明日から毎日数字を見よう」「できることから始めよう」と決意する姿が見られました。時間がない、お金がない——それは言い訳です。時間がないならどうすればいいのか、お金がないならどうすればいいのか。それを考え抜き、行動し、やり抜くことこそが経営者たるもの。森光先生のお話は、気の引き締まる、そして明日からの活力になる講演でした。


今回の3月公開例会は、ひとづくり委員会の名にふさわしい、参加者一人ひとりの心に深く残る例会となりました。ご参加いただいた皆様、そして魂の震えるご講演をいただいた森光先生に、心より感謝申し上げます。