対談小畑秀之氏 of (社)三木JC 2012年度HP

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(株)そだてる 代表取締役 小畑秀之 先生

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岡田
先生は今まで、どの様な所でご講演をしてこられたのですか。

小畑先生
様々な企業や組合などで研修を受け持たせて頂きました。企業の困っている事を解決するきっかけ、ノウハウを学んで頂けるような内容の研修をしております。

岡田
我々三木JCメンバーの働く企業を取り巻く環境は、大変厳しい状況です。様々な競争、特に価格競争の中で、自分達だけでなく仕入先やお客様と、皆が苦しみながら何とか頑張っているという状況が多い様に思います。

小畑先生
価格のたたき合いになって、3者が全部損をしている様な商売は基本的にダメですね。

岡田
私も、そして商売させて頂いている相手も、皆が笑顔になる様な形が理想ですね。

小畑先生
商売では、今、価格競争という話が出ましたが、価格以外に目を向けるべきです。必ずしも一番安いものが売れているわけではありません。高い品質を求めているユーザーを探して、ユーザーに心から満足してもらえるものを提供する事が必要です。さらに、その心から満足してもらえるものをきちんと説明できる営業力が必要ではないでしょうか。

岡田
そうですね。例えば“ニトリ”は“お値段以上”を合言葉としています。安さだけではなく、価格の割に品質が良いといった、値ごろ感を満たす事を大事にしている様に思います。我々にもこういう感覚が必要なのかもしれません。そうなってくると、何か特殊性がいるのでしょうか。

小畑先生
特殊性というより、ユーザーへの提案力が必要だと考えます。

岡田
社員は日々の業務に追われており、“提案力”強化の重要性が分かっていても、なかなか実践しにくいのではないでしょうか。どの様にしたら社員にこの問題に向き合ってもらえるのでしょうか。

小畑先生
素直にその質問を社員にぶつけるべきです。社員の人数だけブレインいると考えてはどうでしょうか。アドバンテージを有効活用するためにも、社員自らが考え、行動するように促していくことが重要です。  社長からのトップダウンという方法が一番簡単で近道に思えますが、社員は納得しないと、行動しませんし、成長もしません。

岡田
皆を巻き込むという事ですね。

小畑先生
そうです。皆で考えて皆を巻き込む。そして問題意識を共有する事が必要です。この部分については、本日の例会の講演の中でも少し触れる内容です。但し皆で考えさせる事は重要ですが、基本的に社長の想いに沿っていなければなりません。

岡田
自分の想いを社員に理解してもらうのは大変難しい事ですね。同じ環境、同じ目標を持っている会社の社員との間でも、言い続けないと理解してもらうのは難しいですね。

小畑先生
まず、戦略を社長が持ち、実際の戦術面においては、社員に考えさせ、自ら行動させる。そうでないと、社員は“やらされている感”だけになってしまいます。例えば、私の場合、社長としての経営理念を持っています。新入社員が入社した際、その経営理念を社長の自分ではなく、新入社員の先輩となる社員に説明させます。理解できていれば、きっちりと説明出来るはずです。その様な機会を持たせるのも、お互い理解し合う1つの方法です。

岡田
よい方法ですね。更に言うと、私は本年度、三木青年会議所の理事長をさせて頂いています。青年会議所は20歳から40歳までの様々な職種、価値観を持った青年経済人の集まりです。そのメンバーに1年間の理事長が示す方向性を理事長所信という形で発表しますが、それをなかなか理解してもらえません。“分からなければ質問して下さい。”と言っても質問が出ない。でも、各委員長がそれぞれに理解し、形にしてきた時、ズレを感じる事が多々あります。

小畑先生
会社は同じ組織に属し、利益を生むという目的を持ち、ビジネスとして皆が進む方向が同じです。しかし、JCさんは異業種交流の団体で様々な価値観を持っている。同じ方向を見るのは本当に至難の業でしょう。そこでもやはり、コミュニケーションの場を持ち、皆で考える事で、理事長の想いに少しでも近付けるのではないでしょうか。

岡田
我々は今、新入会員拡大という大きな問題に取り組んでいます。そこにも今頂いたお話が生かせる事ができる様に思います。50年以上続いた三木青年会議所の良い部分を地域の皆様に理解して頂きたい。そしてメンバーを増やしたい。その為には拡大対象者が何を求めているのかを今一度皆で考え、的確にプレゼンをする事が必要だと感じました。

小畑先生
皆さんの考え方は違っていて当たり前であって、同じであれば、一つの企業になってしまう。メンバーそれぞれが、青年会議所に期待したり入会した目的も違う。その中で、誰のどの目的を満たすのか。絞りすぎると皆に当てはまらないし、広げすぎるとボケてしまう。そのさじ加減を皆で考え行動していただけたらと思います。そのあたり、少しでも本日の例会内で触れたいと思います。

岡田
是非、ご指南下さい。現在の三木市経済界の中核をなしている人達は、ほとんどがJCの先輩です。我々も沢山の勉強をし、そして経験を積み、諸先輩の築いて下さった歴史を引き継いでいく責任があります。

小畑先生
そうですね。皆で問題意識を持ち、頑張って下さい。

岡田
本日のご講演、楽しみにしています。お忙しい所、ありがとうございました。